夫にとって育児は日常生活の選択肢のひとつでしかない。悪く言えば「逃げようと思えばいくらでも逃げられる」もの。

妻がイライラするのはその状況に甘んじて、夫がいつも逃げているような気がするからではないでしょうか。

前回は、父親の自覚のない夫のさまざまな言動についてご紹介しました。今回は、対策をとるまえに少し問題を考えてみましょう!


「子どもはいきなりあらわれた、安眠を妨害する宇宙人?」


もしかしたら、「父親の自覚がない」と妻が夫のことを一方的に判断している可能性もあります。もう一方の言い分を聞いてはじめて物事が見えてくるもの。ちょっとたくさんありますが、夫の言い分を聞いてみましょう!


・自分の子という実感がもてない
・自分の子と言われても妙な感じしかしない
・生まれたての赤ん坊は正直サルにしか見えない
・かわいいとか大事にしたい、という気持ちが出てこない
・自分の子というより、妻の子だから一緒にいるという感覚
・赤ん坊はどう扱っていいのかさっぱりわからない
・赤ん坊だけでなく、子ども自体どう扱っていいのかわからない
・もともと子どもが苦手。自分の子ならなんとかなると思ったがそうでもなかった
・子どもがほしかったけど、思ってたのと違う
・育児は妻の仕事。自分は仕事を頑張っているのだから育児に関わる必要はない
・育児を手伝おうとしたら妻にバカにされたり、叱られたりした…なら勝手にしろ!
・母子の世界に入り込めない
・子どもを育てていく自信がない
・妻が自分を優先にしてくれなくなりさみしい
・今まで自由に時間を使えたのに、バタバタに巻き込まれている



……冷静に聞けましたか?

突然親になったとまどい。突然うちにやってきた意思疎通のできない宇宙人みたいなわが子。自分中心、大人中心で暮らしていたのに、ままならなくなる生活……。夫の方もそれなりのとまどいがあるようです。

妻は、心も体もとっくに母親スイッチに切り替わっていますが、夫はいつまでたってもスイッチが切り替わらない。突然妻子の世界の蚊帳の外においやられおいてけぼりをくらっている感じなのかもしれません。

それから、男女の役割分担意識も根が深い問題ともいえます。父親の自覚が持てないことについて、もう少し探ってみましょう!


なぜ夫には父親の自覚が生まれないのか


子どもが頼れるのは私たち親しかいないというのに!
子どもがどのように成長していくのかは親にかかっているというのに!

なぜ、わが子を目の前にしながら父親の自覚が持てないのか。原因をピックアップしてみます。

【父親の自覚を持てない原因】
・確信のなさ
・疎外感
・どう接したらいいのかわからない
・失敗が怖い
・旦那も親から無関心で育った?
・子育てに関して自身を失っている
・精神的に幼い
・育児は妻・女の役目だと思っている


“自分の子”だという確信がない


たとえ、遺伝子鑑定で親子関係があるという判定をうけても。それでも、父親は「自分の子だ」という実感を持てないのではないでしょうか。

この子は私のおなかの中で育てて私が産んだ、という圧倒的なリアリティーが、母としての自信と自覚、強さを与える。一方、男は逆立ちしたって自分で命を生み出すことはできない。つまり絶対的に俺の子だという確信が持てない
ダメパパは母の自覚を強化させる!? 「父親の自覚」が薄い理由とは|dot.ニュース


母親にとって子どもは、お腹を痛めて生まれてきたまぎれもないわが子。確信があります。

一方父親には子どもは、自分にそっくりだったり、なついてくれたりするなどの具体的な根拠やエピソードがないと確信が持てないのです。


母子関係の蚊帳の外にある疎外感


出産やお食い初め、お七夜や七五三。子どものイベントは子ども(と母親)が主役。夫は家族の行事に関しても、自分がどこか蚊帳の外だと感じる。

そんなの父親モードになって介入したらいいじゃない!妻もそれを望んでいます。でも、確信の持てない父親には、母と子の世界に入りづらいのです。

生命のつながりという点では、妻と娘の絆は、僕が立ち入れない領域なんだと。妊娠後、自分の胎内でわが子を育てている妻にスタートの時点で出遅れているのに加え、この疎外感と確信のなさこそ、夫が父親の自覚や当事者意識が持てない最大の理由では
ダメパパは母の自覚を強化させる!? 「父親の自覚」が薄い理由とは|dot.ニュース


子どもとの関わり方を知らない


子育ての方法を知らないから、かかわらない」というパターンも考えられます。

少子化や核家族化で身のまわりに小さな子どもがいた経験がない夫婦も多いですよね。夫にとっても妻にとっても、自分の子がはじめて身近にあらわれた小さな子どもということになりうるわけです。

・ミルクのあげかた、オムツの変え方、沐浴などもろもろの世話の仕方がわからない
・泣いていてもどうあやしたらいいのかわからない
・反応がないので、どう話しかけていいのかわからない
・どんな遊びをしたらいいのかわからない

なぜ夫は「できない」という事態におちいり、妻は身近に小さな子どもがいた経験がなくても子育てができるのか。

・女性は男性よりも子育て準備のスタートが早い
・自分の子だという確信
・ホルモンバランスの変化
・大人の助けがないと死んでしまう存在に行動をかきたてられる
・自分が最後の砦という意識

妻は夫より切実に子どもに向き合おうとする。それがわからないことだらけの育児をクリアしていく原動力になります。

また、男性はいちいち頭で考えてから行動をしようとする傾向もある。妻がとりあえず動くとなりで、夫は頭で考えた結果答えが出ないから行動に移さないということも……。


女性は小さなころから子育てのシミュレーションをしている?


小さな女の子に人気の遊びはままごとだったり人形遊びだったり。ある意味育児のシミュレーション。幼いころからイメージトレーニングしているようなものです。

女性の場合、友人や先輩のおうちに赤ちゃんが生まれたりすると友人と連れ立って遊びに行かせてもらったりしますよね~。でも、男性同士で「赤ちゃん生まれたよ」→「わ~見に行きたい~」なんてやりとりはしないのではないでしょうか。

また、母親は妊娠中から子どもとの絆を深めている。父親は子どもが生まれたときに「はじめましてコンニチワ」。父親はなににつけ、スタートが出遅れているのです。

さらに子どもが生まれてからも、なかなか父親モードに切り替わらない。ますますスタートが出遅れる。妻が思うようなスピード感では、夫は父親にならないのです。


子育てに関する自信を失っている


夫自身も子育てに理想があった。でも、実際にフタをあけてみて自信を失っているのかもしれません。

・思い描いていた子ども像と違った
・実際に子どもの面倒を見て大変さに気付き、やる気がなくなった
・帰宅すると子どもに怒鳴り散らす妻の姿を見ると、とばっちりがきそうで下手に介入できない

そもそも男性は育児向けにできていない!?


女性は、進化の産物として、脳がとくに乳幼児期の子育てに俊敏に対応できるよう、特別な発達を遂げていたのです。
NHKスペシャル ママたちが非常事態!? ~最新科学で迫るニッポンの子育て~


裏を返せば、男性の脳は育児用に発達していないということ。脳科学的には、自分ができるのと同じような育児を女性が男性に望むのは無理がありそうですね。

>>>父親脳を作れ!子育て非協力で妻がイライラする夫を育児旦那にする方法


妻や子どもから傷付けられ自信を失う夫


子どもや妻の期待はずれな仕打ちが夫のガラスのハートをいたく傷つけ、自信を失ったりもします。

【子どもからの拒否】
・夫が抱っこすると赤ん坊が大泣き
・夫があやしても泣きやまなかった赤ん坊が、妻が抱いたとたん泣きやむ
・夫が子どもの相手をしようとすると「ママがいい!」とだだをこねられる

【妻からの仕打ち】
・慣れないながらも一生懸命世話をしようとしているのに妻からダメ出し
・乳幼児を病気にさせないがための気持ちからか、妻がまるで夫を汚物のように扱う


育児にかかわるたびに感じる無力感や失敗への恐怖。育児を手伝おう(←この手伝おうという精神が妻をイラだたせるわけですが)としたら、妻のお気に召さずダメ出しされ、バカにされてやる気を失う。

結果「子どもにとってママが一番ならママが世話したらいいじゃん」とふてくされる。無力感や失敗の恐怖を味わいたくないから子どもに接しない。

子どもができるまでは夫婦水入らずでイチャイチャベタベタしていたのに、出産後は妻からまるで汚いもののように扱われる。

ひどい仕打ちじゃないかと夫の繊細なハートが傷ついていく……。

とはいえ、母親だってはじめての子育てで、夫の比じゃないくらいたくさんの自信をなくす出来事や失敗だらけなわけで。

わが子のことなのにやる気を失うなんて意味がわからない」「それくらいのことで自信がなくなるのか!?」という妻のお怒りもごもっとも。

でも、まぎれもなく自分の子だという確信が、自信のなさをふきとばしガムシャラに育児に向かえる、という一面もあります。確かに夫にとって育児は不利なタスクなのかもしれません。


精神的に幼い。夫自身も子どもだから


なぜ父親の自覚がないのか。それは夫が精神的に幼くて子どもだからかも。“子ども”に対して「父親の自覚を持て」といっても難しい。

奥さん同士の会話で夫のことを「ウチの長男」などと呼ぶのを聞いたりしませんか。夫は子どもが生まれてもなお、“子ども”として家庭に居座ろうとしているのかもしれません。


育児は妻・女の役目だと思っている


父親の自覚がないとか、子どもに無関心という問題のまえに、「男は仕事、女は家事育児(男は妻子を養い、女は家庭を守る)」という役割分担意識を夫は持っているのかも。だから育児に関わる必要がない、と考えている。

また、「父親の自覚」といっても、次のように夫婦で認識が違う可能性もあります。


:夫は妻子に責任がある。だから仕事ガンバル!それでOK!
:責任を持つのは当然!父親の自覚も持って、もっと子育てに参加してほしい


妻が望むのは「子育てに自発的・積極的」という父親の自覚で、夫は「家族への責任感を持ち、仕事や人生に取り組む」という父親の自覚がある、ということもありうるでしょう。

もし役割分担意識や、父親の自覚について夫婦で認識が違うようなら、よく話し合った方がよいのではないでしょうか。


まとめ


・妻の妊娠中から子育ての情報を収集し準備し、子どもが生まれてくるのを楽しみにする。
・妻の大きなお腹を目にしてもピンこなかったのが、子どもが生まれたことでガチっと覚悟が固まり父親の自覚を持つ。

こんなタイプの父親もいれば、子どもがとっくに生まれ育っているのになかなか父親の自覚が持てないという人もいます。

夫への愛情が急激に下がる産後クライシス。これを防ぐ有効な方法は、夫婦での共同育児です。夫が子どもに無関心のままでは夫婦関係の悪化につながりかねないのです。

次の記事では対策を考えてみます!

(近日更新予定)
>>>子どもに無関心…父親としての自覚がない育児非協力旦那への対策法
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